10月28日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 今日からよろしくお願いします。
 まず、執行実績報告書の17ページの職員研修費についてお伺いします。
 墨田区の職員、特に若い職員の方は、将来の墨田区のために大変大事な人材です。今度、児童相談所が東京都から移管されるように、区の行政の範囲も広がっています。また、必要とされる専門知識も高度になってきています。若い職員の方には専門の知識を付けて、将来の墨田区のために頑張ってもらいたいと思います。
 そのためにも、20代、30代の若い職員の研修を充実して、将来の幹部職員を育ててください。職員一人ひとりの能力を上げることは大変大事ですから、今後は少しでもいいですから研修の予算も増やして、内容を充実してもらいたいと思います。そして、墨田区は職員研修を熱心にやっていると言われるようになってもらいたいです。
 特に私は、職員の自己啓発が大事だと思います。仕事の研修はもちろん必要ですが、自分が関心のある分野を勉強したいときにも、墨田区が積極的にサポートすることが大事だと思います。各種研修実施費の中の特別研修費は自己啓発を含むとありますが、この152万円のうち、自己啓発は幾らだったかお伺いします。また、その内容についても教えてください。

 

 

◎職員課長(宮本知幸君) 
 まず、近年若手職員は増えてございます。その構成比なんですけれども、平成28年4月現在、特に20代ですけれども、全体の19.1%で、10年前が6.0%でしたので、この10年間で13.1ポイント、大幅に増えたということになっています。このことから、区では、若手職員の人材育成を最重要課題の一つとしてさまざまな取組をしているところでございます。
 具体的には、これまでの職層研修はもちろんですけれども、人材交流による人材育成にも力を入れております。今年度からは、新たに派遣した東京都の行政部、それから特別区人事・厚生事務組合、区長会事務局、東京都防災・建築まちづくりセンター、オリンピック・パラリンピックの組織委員会にも派遣を増員するなど、積極的に若手職員を派遣をして、業務の視野とか各職員の資質向上に取り組んでいるところでございます。
 また、平成27年6月には、区長の発案で新基本計画に若手職員の意見を反映させようということで、若手職員によるプロジェクトチームを発足させ、活発な議論がなされて、若手職員の意見が計画に反映されたところでございます。
 また、お尋ねの自己啓発費でございますけれども、152万円のうち、平成27年度の予算は21万円というところで、決算については推進教育受講者の助成費の約5万円という執行率でございました。このことから、平成28年度におきましては、より自己啓発の機会を増やすために、資格取得への奨励とか、それから大学院の社会人コースへの学費助成、それから語学系の専門学校の受講料の助成など、通信教育とか自主グループの助成以外にも拡充しまして、145万円に増額計上させていただき、見直しを図ったところでございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 自己啓発については、平成19年に地方公務員法が改正されて、休職して大学院に行ったり、留学したり、また、青年海外協力隊に参加することができるようになりました。前回質問したときには、墨田区では職員からそのような希望がないという答弁でした。私は、これから墨田区が優秀な職員を集めるためには、この制度をつくったほうがいいと思います。この制度があったほうが、優秀な人が墨田区に来てくれると思います。
 大抵の職員は学校を出て、30年、40年と本当に長い期間、墨田区に勤務することになります。休職制度があって、海外でボランティアをしたり、大学で勉強できる機会があるのは魅力的だと思います。是非、検討していただきたいと思いますが、この場合は条例が必要でしょうか。お伺いします。

 

 

◎職員課長(宮本知幸君) 
 自己啓発等の休業につきましては、平成19年度の地方公務員法の改正によるものでございます。本制度を導入する場合は、新たに条例を設置することになるということでございます。現在導入している区は、23区では文京区のみというふうに聞いております。
 この制度があまり導入されていない理由ですけれども、無給で学費も自己負担、それから自発的に大学における就学、国際貢献活動を行うということで、職員の経済的な負担が多いということなどから進んでいないのではないかというふうに考えております。本区におきましても、これまで本件について相談、問い合わせ等はございませんでした。
 一方で、大学等における就学については、以前から区の職員で自発的に夜間大学に通っている者も多くございます。また、社会人向けの夜間の大学院の国内におけるコースも設置されております。また、平成28年度予算では、大学を限定しないで大学院就学への学費の助成制度を始めましたので、こうした制度を活用して自己啓発を図ってもらいたいというふうに考えてございます。
 また、国際貢献活動のための休業でございますけれども、休業制度とは別に、区では外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例というものに基づきまして、海外に職員を派遣できる制度がございます。この制度では、休職扱いということになるんですけれども、派遣先又は区から給料が支払われるということで、国際貢献活動ができる制度でございます。
 近年ですと、平成26年1月から28年1月までの2年間、青年海外協力隊としてジャマイカに派遣した職員がおりまして、帰国後、区長を含めた幹部職員に対して報告会を開催しまして、国際貢献活動の意義とか、情報の共有化を図ったところでございます。
 いずれにしましても、国際化に向けてさまざまな対応が求められる中で、職員のスキルアップというのは必要でございますので、社会情勢や他の自治体の動向を注視しながら、その方法につきましては、いろんな角度から検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、英語などの外国語には検定試験があります。英語では英検が有名です。また、手話の検定試験もあります。職員の外国語や手話の能力を向上させることは、これからの墨田区にとって大変大事だと思います。
 そこで伺いますが、墨田区の職員で英検1級を持っている職員は何名いますか。また、準1級はどうでしょうか。また、手話検定、あるいは中国語、韓国語、タガログ語、ポルトガル語、スペイン語などの外国語の検定試験で上級の資格を持っている職員はいますか。教えてください。また、職員にこのような検定試験を受けるように、墨田区としても積極的に進めるべきと思いますがいかがでしょうか。お伺いします。

 

 

◎職員課長(宮本知幸君) 
 申し訳ありませんけれども、職員の英検1級、準1級取得者及びその他手話、外国語の検定試験の資格者の人数というのは把握してございません。
 しかしながら区では、語学、手話に関わる職員登録制度というのを設けてございまして、毎年更新しております。平成28年7月現在ですけれども、32名の登録者がございます。内訳ですけれども、語学については17名、英語が10名、中国語が4名、ベトナム語が1名、マレーシア語が1名、チェコ語が1名、また、手話は15名ということになっております。
 登録した職員は、各職場で外国人の通訳や手話への対応が生じた場合に窓口対応を行っております。また、自己申告で対応レベルを登録しておりますので、それに応じた職員が対応しているところでございます。例えば、簡単な意思疎通が可能なレベル、それからさまざまな場面で適切なコミュニケーションができるレベル、業務上コミュニケーションが可能なレベル等、3段階に分けて登録しているものでございます。
 しかしながら、この制度にとどまらず、ご指摘のように職員個々の外国語や手話のさらなる能力向上というのは重要でございますので、引き続き外国語研修の実施、また、助成制度等の活用促進などを図っていきたいというふうに考えてございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、予算の執行実績報告書の20ページの広報活動費についてお伺いします。
 墨田区の広報も、フェイスブックやツイッター、インスタグラム、ユーチューブなどのSNSを利用して大変すばらしいと思います。これからは、広報紙の役割はだんだん減ってくると思います。もちろん高齢者には広報紙が必要です。しかし、現在のように年間36回も必要かどうかは、これから真剣に検討する必要があると思います。内容を見ても、24回に減らしてもいいと思います。そして、その分の予算をSNSや動画の作成に使ったほうがいいと思います。いつまでも同じような広報予算の使い方ではなく、時代に合った予算の使い方を考えるべきと思いますが、現在どのように考えていますか。

 

 

◎広報広聴担当課長(前田恵子君) 
 区報の発行回数を年間24回に減らすということについてですが、今年度実施しました住民意識調査では、区政情報の入手状況が、区のお知らせから入手しているという人が5割を超えていること、20代から40代の購読者も約51%という状況から、対象者を高齢者に絞った内容にして、発行回数を減らすというより、現状の発行回数を維持しまして、購読者が必要とする情報が入手できるような紙面づくりを行っていきたいと考えているところでございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 高齢者にスマートフォンを購入してもらって、SNSを使ってもらえば、墨田区の広報の観点からも、また防災対策としても大変メリットが大きいと思います。災害時には、携帯電話はほとんど使えません。SNSならインターネット回線で連絡ができますから、安否確認や情報収集に向いています。また、個別に連絡をとらないでもつながっている人たち全てに連絡できるので、非常に効率的な連絡手段です。また、介護予防事業の体操を動画で送ることもできます。ひとり暮らしの高齢者の安否確認も簡単にできます。高齢者がスマートフォンを使えれば、いろいろな分野で大変役に立ちます。
 墨田区として、高齢者にスマートフォンを普及するような活動をやってはどうでしょうか。最近は、大変安いスマートフォンもあります。民間の事業者と連携すれば、お金もあまり掛からないと思います。まず、広報広聴担当課長にお伺いします。また、防災課長にもお伺いします。

 

 

◎広報広聴担当課長(前田恵子君) 
 今年度、実施しました住民意識調査の中で、インターネットを利用するつもりがないと回答しました60歳代男性が35.2%、女性では51.3%となっておりまして、シニア層においてはまだまだスマートフォンを利用するのは、少しちゅうちょするという向きがあると思われますので、区として積極的な普及の働きかけは難しいかなと考えているところでございます。

 

 

◎防災課長(菅原幸弘君) 
 災害時の情報提供につきましては、防災行政無線を基本としまして、そういった機器のメディアとの情報連携によって、区民の方々に万全に伝わる体制を構築させていただいているところでございます。
 また、お尋ねいただきました中で、安否確認につきましても、住民防災組織の方々によるサポート隊の結成による安否確認も含めて、デジタルではないものの、共助による対応も進めさせていただいているところでございます。スマートフォンの活用につきましては、広報広聴担当課長からもお話しいただきましたとおり、お使いいただく側の方々の、一般に言うデジタルデバイドだとかの課題もあるかと思いますが、防災課としましては防災アプリの普及等も通して、周知を努めさせていただきたいと思います。

 

 

○委員長(中沢えみり君) 
 以上で新しいすみだの質疑を終了いたします。